Chapter.5 話した2日後には、もう動いていた

話した二日後には、もう動いていた 未分類

彼女は、夜の仕事から昼の仕事へ戻ることを考えていました。

昼職に復帰するなら、何か資格を取っておいた方が有利なのではないか。そんな話をする中で候補に挙がったのが、IT分野の基礎知識を問う入門的な国家資格でした。

彼女の周囲では、昼職への復帰を考える人がIT業界に興味を持ち、その入り口としてこの資格を取得することがあるようでした。彼女自身も、IT業界なら今後につながるかもしれないと、何となく関心を持っていたのだと思います。

私もITの仕事に携わっていたため、資格を取ることには賛成でした。ちょうど私自身も取得したいと思っていた資格だったので、彼女の考えを後押しするような話をした記憶があります。

それから、わずか2日後。

再び彼女に会うと、すでにその資格の参考書を買っていました。

「資格を取った方が少しでも就職に有利になると思った」

そう話してから、まだ2日しか経っていません。考えただけで終わらせず、すぐに参考書を買って動き始めた。その行動の早さに、私は驚くと同時に、感動に近いものを覚えました。

本気で昼職へ戻ろうとしていることも、その姿から伝わってきました。

後になって知ったことですが、彼女はその年いっぱいで夜の仕事を卒業するつもりだったようです。安定した昼職に就き、生活を変えようとしていました。当時の私はそこまで知りませんでしたが、彼女にとって資格の話は、単なる思いつきではなかったのでしょう。

ITとはほとんど縁のない生活をしてきた彼女にとって、参考書に並ぶ言葉は、知らないものばかりだったはずです。

それでも彼女は、大学受験の頃の勉強方法を思い出しながら、自分なりに学習を進めていました。スマートフォンのアプリも活用し、参考書の内容を自分でまとめ直し、さらに自作の問題集まで作っていました。

ただ本を読むだけではなく、覚えるための仕組みを自分で作る。とてもマメで、手間のかかる勉強方法でした。

知らない用語をひたすら覚える作業は、決して楽ではなかったと思います。それでも途中で投げ出さず、勉強を続ける姿には、今振り返っても感心します。

私はもともと、彼女に行動力のある一面を感じていました。しかし、この出来事によって、それがよりはっきりと見えた気がしました。

そして、私が関わっているITの分野に彼女が興味を持ったことで、二人の間に共通の話題が一気に増えました。

分からないことがあれば、私にも少しは力になれるかもしれない。彼女から頼ってもらえるかもしれない。そんな気持ちも、どこかに芽生えていたように思います。

同時に、一生懸命取り組む彼女を応援したいという気持ちも強くなっていきました。

彼女の行動は、私自身にも影響を与えました。

参考書を買い、ひたむきに勉強する彼女の姿を見て、私もこの機会に挑戦してみようと思いました。もともと取得したいと考えていた資格だったこともあり、彼女の頑張りに乗るような形で、何となく一緒に頑張りたいという気持ちになりました。

そして私も、同じ資格の勉強を始めました。

彼女は、同じ勉強をしている人がいると励みになると話していました。それは私も同じでした。

一人で取り組んでいれば、仕事や日々の生活を理由に、途中で勉強をやめていたかもしれません。しかし、彼女も頑張っていると思うと、私ももう少し頑張ろうという気持ちになれました。

どちらかが相手を引っ張るというより、同じ資格に向かっていること自体が、お互いの励みになっていたのだと思います。

彼女がすぐに行動したからこそ、私も動き始め、勉強を続けることができました。一人ではなく、同じ目標に向かって頑張る相手がいたことも、勉強を続けられた理由の一つだったと思います。

話していて楽しい、すごく好みの女性。

それまでの印象に加えて、目標に向かって努力できる人という新しい一面を知り、私は少しずつ彼女自身にも惹かれ始めていきました。

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