Chapter.14 試験日を会う口実にしたくて

試験日を会う口実にしたくて 未分類

彼女が勉強していた資格に、私も挑戦することを決めました。

受験を決めたことを彼女に話し、あわせて自分の試験日も伝えました。

同じ資格に向けて勉強している相手に受験日を知らせる。それだけなら、ごく自然な会話だったと思います。 

けれど、私にはもう一つの思惑がありました。

自分の試験日を先に伝えれば、彼女も受験日を教えてくれるかもしれない。できれば同じ日に受験して、試験が終わったあとに会えないだろうか。

そんな期待をしていました。

その時点では、彼女の受験日はまだ決まっていませんでした。もしかすると、彼女も私の出方を少しうかがっていたのかもしれませんが、本当のところは分かりません。

もっとも、これは当時の私に都合のよい想像だったのかもしれません。

同じ日に受験できたとしても、試験後に何をするかまでは考えていませんでした。

食事に行くのか、少し話をするだけなのか。具体的なプランは何もありません。ただ、仕事とは関係のない日に、自然な理由で少しでも彼女と会えるかもしれない。その可能性があるだけで、私には十分でした。

後日、彼女の受験日を聞くことができました。

しかし、私とは別の日でした。受験会場の空き状況から、その日を選ぶことになったようです。

予定が合わないと分かったとき、仕事以外で会えるかもしれない貴重な機会を逃したように感じ、とても残念でした。

ただ、たとえ同じ日を選んでいたとしても、実際に会えたかどうかは分かりません。

彼女がどの試験会場を選ぶのか、それを私に教えてもらえるのか、さらに私の会場から近いのかも分からなかったからです。

普段の会話から生活圏を想像することはあっても、それを直接尋ねられるほど、プライベートに踏み込める関係ではありませんでした。

同じ資格を受けるからといって、同じ会場になるとは限りません。受験日を合わせただけでは、場所が離れていて会えなかった可能性もあります。

それでも当時の私は、試験日さえ同じになれば、何かが起きるような気がしていました。

直接、仕事以外でも会いたいと伝えるのではなく、資格試験を理由にしようとしていたのです。

彼女の受験を応援したい気持ちも、一緒に頑張りたい気持ちも本当でした。

けれど、その中には、会うための自然な口実が欲しいという気持ちも、確かに混ざっていました。

知らないことが多かったからこそ、私は足りない部分を想像で埋め、会える可能性を膨らませていたのかもしれません。

結局、二人の試験日は同じになりませんでした。

そのことを強く残念に感じた自分を振り返ると、この頃にはもう、1分でも多く彼女と会う理由を探すようになっていたのだと思います。

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