Chapter.4 話を聞いている時間が心地よかった

話を聞いている時間が心地よかった 未分類

3回目に会った日のことは、正直なところ、それほど細かく覚えていません。

ただ、食事の好みなど、それまでより少し踏み込んだ話をしたことは覚えています。初めて会ったときや2回目よりも、少し仲良くなれたような感覚がありました。

何度か会う中で感じたのは、彼女との会話のテンポが自分に合っているということでした。彼女はあまり飾った話し方をせず、思ったことをそのまま言葉にする人でした。そのため、私も必要以上に気を使わずに話すことができました。

彼女がよく話していたのは、学生時代の出来事や、これまでに出会った印象的な人のことでした。明るい調子で、自分の私生活についてもあまり隠すことなく話してくれました。

その話を聞いていると、彼女は思い立ったことをすぐ行動に移す人なのだろうと感じました。私にはない行動力を持っているように見え、その点にも自然と興味を持つようになっていきました。

一方で、彼女から私に質問をされることは、ほとんどありませんでした。

彼女自身も、基本的に他人にはあまり興味がないことや、聞いても忘れてしまうと失礼なので、あえて質問しないようにしていると話していました。

普通なら、一方的に相手の話を聞いていると、物足りなさを感じることもあります。しかし、私は彼女との会話をそのようには感じませんでした。

私はもともと、人の話を聞くことが好きです。自分が経験していない出来事や、相手がどのように考えているのかを知ること自体に面白さを感じます。

彼女の話し方や、話が進んでいく筋道も私には心地よく、ほとんど聞き手に回っていても苦にはなりませんでした。むしろ、次はどのような話を聞けるのだろうと楽しみにしている自分がいました。

その後もほかの複数の女性と会うことはありましたが、いずれも数回会うだけの関係でした。そんな中、彼女を選ぶ回数だけは少しずつ増え、出勤している日や予定を確認することも多くなっていきました。

まだ恋愛感情だとは思っていませんでした。ただ、可愛らしくて、話していて楽しいだけではなく、すごく好みの女性だと感じるようになっていました。

彼女の話を聞いている時間が、私にとって少しずつ特別なものになっていきました。

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